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こんにちは、千代田区神田の公認会計士・税理士の馬場です。

今日は経営者の日々を支える4つの経営指標として2つ目の重要指標であります、損益分岐点売上高についてお話をします。

前回は限界利益と限界利益率についてお話をしましたが、今回の損益分岐点売上高は、その限界利益率を使った指標ですので、簡単に損益分岐点売上高のおさらいをしてみましょう。

まず、管理会計では、経費を変動費と固定費に分類します。
変動費は売上高に比例して発生する経費のことでして、仕入高、外注経費や配送費などが代表的なものとなります。
固定費は売上高にかかわらず、固定的に発生する経費のことでして、人件費、家賃、リース料などが代表的ものとなります。

そして、売上高から変動費を差し引いたものが限界利益となります。
限界利益は、売上高から変動費を差し引いたものなので、売上高によってどれだけ利益が手元に残ったかを示すことになります。

さらに、売上高に対する限界利益の割合が限界利益率となります。これは売上高によって何%の利益が手残りするかを示した指標です。

 ◯ 限界利益=売上高-変動費

 ◯ 限界利益率=限界利益÷売上高×100%

損益分岐点売上高とは?

それでは、今回の本題の損益分岐点売上高を見て行きましょう。

損益分岐点売上高は、営業利益がゼロになる売上高のことをいいます。
コストを回収する観点から言えば、固定費をまかなうことが出来る売上高のことを言います。

損益分岐点売上高は下記の算式で求めることができます。

 ◯ 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

この損益分岐点売上高は、簡単に言えば、会社が存続して行くために最低限必要な売上高、ということになります。

下記のA社をモデルにして損益分岐点売上高を計算してみましょう。

製造業でありますA社はここ数年、業績が低迷し営業赤字が続いています。
社長のBさんは来期の予算編成をしていますが、まずは営業赤字からの脱却を目指しています。
そこで、次の決算書からA社の損益分岐点売上高を算定してみましょう。

制度会計による当期の損益計算書
売上高 80,000
売上原価 56,000
 材料費 16,000
 労務費 25,000
 減価償却費 7,500
 工場家賃 7,500
売上総利益 24,000
売上総利益率 30%
販売費及び一般管理費 39,000
 広告費 2,000
 配送費(変動費) 4,000
 販売員給料 25,000
 減価償却費 3,000
 家賃 5,000
営業利益 △15,000

 

上記の決算書は制度会計によって作られたものですので、これを管理会計の損益計算書であります変動損益計算書に組み替損益分岐点売上高を算出する必要があります。

変動損益計算書は下記のように組み替えられます。

 

当期の変動損益計算書
売上高 80,000
変動費 20,000
 材料費 16,000
 配送費(変動費) 4,000
限界利益 60,000
限界利益率 75%
固定費 75,000
 労務費 25,000
 減価償却費(原価) 7,500
 工場家賃(原価) 7,500
 広告費(販管費) 2,000
 販売員給料(販管費) 25,000
 減価償却費(販管費) 3,000
 家賃(販管費) 5,000
営業利益 △15,000

 

 

変動損益計算書に組み直すと、限界利益率が75%、固定費が75,000ということがわかりました。

これを先程の式に当てはめて、損益分岐点売上高を計算してみましょう。

 

損益分岐点売上高は100,000となります。

  損益分岐点売上高100,000 = 固定費75,000 ÷ 限界利益率75%

 

では、損益分岐点売上高であります100,000の売上高を達成した場合の変動損益計算書を見てみましょう。

売上高100,000の変動損益計算書
売上高 100,000
変動費 25,000
 材料費 20,000
 配送費(変動費) 5,000
限界利益 75,000
限界利益率 75%
固定費 75,000
 労務費 25,000
 減価償却費(原価) 7,500
 工場家賃(原価) 7,500
 広告費(販管費) 2,000
 販売員給料(販管費) 25,000
 減価償却費(販管費) 3,000
 家賃(販管費) 5,000
営業利益 0

 

営業利益がゼロなりましたね!

この会社は売上高が100,000以上にならなければ利益が出ないことがわかります。

売上高100,000が損益分岐点売上高ということになります。

本日はここまで。次回は本日学んだことをケーススタディで学んでみましょう!