CGSおだき税理士法人 > マネジメントサポート > 『業績予測損益計算書』を使ったミーティング

こんにちは、千代田区神田の公認会計士・税理士の馬場です。

 

今日は当事務所が実施している『業績予測損益計算書』を使ったミーティングについてお話を致します。

 

当事務所では、基本的にクライアントと月に1回ご面談するというスタンスで関与させていただいております。もちろん、年に1回や3ヵ月に1回で良いという方もおりますので、ご予算等それぞれの事情に合わせて柔軟に対応させていただいております。

 

毎月ご訪問するクライアントの中で特にニーズがある場合には、毎月の試算表のご報告以外に『業績予測損益計算書』を使ったミーティングも実施しております。

 

『業績予測損益計算書』とは?

 

『業績予測損益計算書』とは、既に経過した月は実績の損益を織り込み、まだ経過していない月は予測の損益を計上して、1年間の業績の見込みを予測する損益計算書のことです。

 

例えば、3月決算の会社が9月まで実績が出ていれば、『業績予測損益計算書』は9月までの実績を織り込み、10月から3月までは予算数値を計上することになります。

 

毎月ご提供する試算表は、経過した月までの実績ですので過去の数値のみが記載された損益計算書となりますが、『業績予測損益計算書』はこれからの予測も織り込まれておりますので将来も予見した損益計算書ということになります。

 

『業績予測損益計算書』は、期中の早い段階で売上高や当期利益などの業績の着地点を把握することが出来ますので、掲げた目標の達成に向けて、営業強化や経費削減などの対策を素早く打つことが出来ます。
また、着地点が早々に把握できていますので、決算対策や節税対策(=資金繰り対策)も早い段階で余裕を持って行うことが出来ます。

 

『業績予測損益計算書』の作成のポイント

 

『業績予測損益計算書』は多くの会社で作成・利用しておりますので、決して珍しいものではなく一般的な経営意思決定資料の一つです。
一般的なものではありますが、その作成方法や内容はこれといった決まりがあるものではなく、その会社に馴染んだ形で作成・利用していることがほとんどです。

 

要は、『業績予測損益計算書』は経営意思決定資料なので、経営に役立つ資料になっているかどうかが最も重要なポイントと言うことになります。

 

『経営に役立つ資料 』として大事になる要素は、数値の精度と提供のスピードです。
いくら資料が早く出てきても、デタラメな資料であれば経営の意思決定をミスリードしてしまいます。
また、いくら精度の高い資料が出てきても、数ヵ月遅れであれば、時既に遅し、ということになってしまいます。
不正確で遅い資料は『論外』です。。。

 

当事務所は、『業績予測損益計算書』をご提供するにあたり、この数値の精度とスピードにこだわっている点に特徴があります。

 

特に数値の精度に関しましては、税務申告書作成などを目的とした会計であります財務会計ではなく、より経営予測がし易くなる管理会計を導入して予測精度の高い『業績予測損益計算書』をご提供しております。

 

具体的には、通常は年1回しか経理処理しない在庫の洗い替え計上、減価償却費や各種償却経費の計上などについて毎月経理処理し、また、消費税も税抜処理とし、決算時に大きく損益が変化する要素を事前に月次に織り込んでしまいます。

 

毎月月次決算しているので、本決算のときに慌ただしく経理処理することもほとんどなく、決算の早期化が可能となっております。

 

また、経費も財務会計の区分に捉われず、その性質に応じて改めて再分類し、投資的な経費をどのくらい掛けているか、会社の管理や維持のための経費としてどのくらい掛かっているかがわかるようになっています。

 

そして当事務所がもう一つ大事に感じていることは、この『業績予測損益計算書』の作成・活用をクライアントが自社でやれるようになっていただくことです。
それは、『業績予測損益計算書』を会社が自分で作成して、活用できれば、経営者の方々は私たちの報告を待つことなくスピーディーに意思決定してアクションを起こすことが出来るからです。

 

そのため、いつでも自社での運用に切り替えられるように、シミュレーションソフト等は使わず、簡単な計算式が組まれたシンプルなエクセルファイルにて『業績予測損益計算書』をご提供しております。

 

『業績予測損益計算書』の作成と報告

 

簡単に『業績予測損益計算書』の作成手順をご説明致します。

 

まず、年度の損益計画を作成します。

 

業績予測の精度は、結局この当初の年間損益計画次第となります。中でも、重要なのは、売上計画、原価計画、人件費計画です。

 

このプロセスが『業績予測損益計算書』の作成において最も重要となりますので、半日から丸1日掛けて、じっくりとヒアリングし、みっちりと年度の損益計画を一緒に立てて行きます。

 

後は、毎月の試算表の数値をエクセルシートの所定の箇所にインプットするだけで出来上がりです。

 

この実績と予測が織り込まれた損益計算書をベースにミーティングしますので、経過した部分の実績のご報告だけでなく、決算の着地点を見据えた話ができます。

 

具体的には、当期の予測利益が、設定した目標に届かなそうであれば売上をいくら上げれば良いのか?そのために人員を増やすとすれば利益はどのようになるのか?
など、状況の変化に対するシミュレーションもすぐに出来ますので、根拠を持って素早くアクションすることが可能となります。

 

また、利益が大きく出そうな場合には、事前にそのことがわかっていれば、不良債権や滞留在庫の損金処理の検討、生命保険やオペレーティングリースの活用などを十分に検討することが出来、無理なく余裕のある資金対策をすることが出来ます。
少し余談となりますが、代表的な資金対策として生命保険やオペレーティングリースなどがあります。これらの資金対策は税金の先送りとしての効果を持ちますので、しっかりと事業計画を組んでいる企業にとって、これらの活用は非常に高い資金繰り改善効果を発揮します。

 

まとめ

 

『業績予測損益計算書』をご活用していただいているクライアントからは、「着地点が見えるので安心して経営ができる」、「過去の数値ではなく、将来を見据えてミーティングが出来るので気持ちが前向きになる」などの好評いただいております。

 

決算間際の土壇場の決算対策や節税対策は後々、大きな問題になることもあります。決算対策も節税対策も数ヵ月前から十分に検討することが重要です。

 

業績予測を見据えた経営をしたい方、決算対策や節税対策でお悩みの方は『業績予測損益計算書』を使ってみてはいかがでしょうか?